2013年8月4日日曜日
地中美術館のタレルとデ・マリアの作品
瀬戸内海の直島にある、地中美術館。モネの5つの睡蓮の絵に続いて、ジェームス・タレルの3つの作品が、来場者を迎える。
アフラム、ペール・ブルー。部屋の隅に、プロジェクターで光が当てられ、まるで、空中に光の立方体が浮かんでいるかのように見える。
最初は、目の前にあるその光の物体が、何かわからずに、思わず目を凝らしてしまう。タレルは、1943年にカリフォルニアに生まれ、幼い頃から、光に対して、特別な関心を寄せていたという。
続いて、オープン・フィールドという作品を体験した。はじめに、見学者は、階段の下に整列させられ、説明を受けた後で、ゆっくりと階段を登って行く。スクリーンのように見えたものは、実は、その後ろの空間への入り口になっていた。光の効果を巧みに使った、タレルの魔術。
階段を登り、足を踏み入れた、その不思議な空間の中は、奥行きがあり、奥の方に緩やかに傾いている。しかし、その一番奥まで行くことは、禁止されている。
空間の中は、青い光に満ちている。光源は、入り口からの蛍光灯の光の他に、奥の方にあるように見える。その場にいた、美術館の人間に聞いたが、作品の秘密については、答えられない、とのことだった。
そして、タレルのもう一つの作品が、オープン・スカイ。文字通り、部屋の上の部分が、キャンバスのように、そとに開かれている。この日は、雲一つない快晴だったので、そのキャンパスは、青一色。
ジェームス・タレルの3つの作品は、いずれも、空間と光をテーマにした作品だった。
モネ、ジェームス・タレルに続き、地中美術館の最後の部屋は、ウォルター・デ・マリアの部屋。
これまでで、最も大きい部屋。ずっと地中の小部屋を巡ってきたせいか、まず、開放感を感じる。そして、まず目に飛び込んでくるのは、部屋のほぼ中央におかれている、黒い大きな球体。
部屋の奥に向かって、階段が続いている。部屋のあちこちに、規則的に、3本づつの金色に塗られた、短い柱のようなものが、建てられている。この作品の名前は、タイム/タイムレス/ノータイム。
外の光が、取り込まれているので、部屋の中は明るい。この部屋は、自由に移動することができる。階段を登り、部屋の奥まで行って、入口の方をみると、また少し違った、空間の雰囲気を味わえる。
デ・マリアは、この部屋の中の球体やオブジェは勿論、この部屋自体の設計も行った。この空間全体を、作り上げたと言っていいだろう。
この旅行から帰ってしばらくしてから、デ・マリアがカリフォルニアの自宅で亡くなった、というニュースを耳にした。地中美術館の、あの空間で感じた、不思議な空間感覚は、今も強烈に心に残っている。
ウォルター・デ・マリアの冥福をお祈りします。
地中美術館には、他に、安藤忠雄が建築の一環として作成した、四角形の中庭と三角形の中庭がある。四角形の中庭は、エントランス付近にあり、シダ科の植物のトクサが一面に植えられている。その緑とコンクリートの色の対比が美しい。
三角形の中庭は、最後の方にあり、こちらは、石灰岩の破片が一面に敷き詰められていて、四角形の中庭とは、大きな対比になっている。
最後に、土産物売り場の店員さんと少し話をしたが、天気によって、作品の見え方が全く異なるということで、やはり、晴れている日の方がよいようだ。
また、瀬戸内国際芸術祭の時期や、休日は、非常に混雑し、作品を鑑賞するのに列を作らなければならないこともあるという。
この美術館の評価については、いろいろな意見があるだろう。
ミシュランの評価において、三ツ星とは、そのために旅行する価値がある卓越した料理、という定義になっている。
私のこの美術館に対する評価は、この三つ星に相当するものだ。この美術館だけを訪れるために、わざわざ、この瀬戸内海の小さな島を、訪れる価値がある。
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